1.学生時代の研究テーマ
面白い記事を見つけた。
人はなぜ自転車を早く走らせるのに”立ちこぎ”をするのか?(マイナビニュース、小林行雄、2016/11/21)
私の学生時代の研究テーマの一つ「人間ー機械系(マンマシンインターフェース)」と関連している。自転車をこぐ人間の肢体をモデル化して各種パラメータを導定しようというものである。
ページ内のシミュレーション、ブラウザのJava Appletに対するセキュリティ対策が進んでいて、ChromeやEdgeでは動作しない。IE8.0以前か、IEのJavaプラグインのコンソール画面で例外サイトに指定すると動作する。
2.計算機パワー
私の学生時代と今との大きな違いは計算機パワーだ。
集積回路上のトランジスタ数は「18か月(=1.5年)ごとに倍になる」(ムーアの法則、Wikipediaより)
学生時代から今まで18か月のサイクルが11回以上めぐったことになるので、単位面積当たりのトランジスタ数が211=2048倍になっている。
当時の計算機はUltraSPARCや80486。丸め込みや計算ステップの省略を駆使して特異値分解の計算や描画処理を行っていたと記憶している。それでも一回当たりの計算が数十分かかり、いつもイライラしていた。
2048倍の集積度(パワー)を持った今の計算機。またツール類も当時に比べて飛躍的に発達しているだろう。今、同じ研究を再開すると、きっと違う結果になっているに違いない。
3.あらゆるものに対して評価値を設ける
上記の研究をしていたときにふと思った。
あらゆるものに対して評価値を設ける
自転車をこぐという動作においては「人間の四肢や筋力の情報、自転車の機械パラメータ等」を条件(入力)とし、「消費エネルギーや最大酸素摂取量」等の評価値(出力)として、この条件と評価値との関係を表すのに「モデル化」ということをしていた。いわゆるシミュレーションである。
しかしこれだけ計算機パワーが向上していることを考えると、ビッグデータに基づいて人工知能(AI)を使えば具体的なモデル化は必要ない。ディープラーニングさせればよい。
もちろん私の学生時代にも人工知能という学問があり、私もニューラルネットワークを上記の条件と評価値との関係に使えないか真面目に検討していた。しかしバックプロパゲーションという計算の計算機コストがかかりすぎることで現実的ではなかった。更に「人工知能」というキーワードは当時の研究機関ではメジャーではなく「マユツバモノ」の扱いを受けていたような気がする。結局、古典的なモデル化(しかも線形近似)に終始した。
今、凄い勢いで人工知能の応用分野が広がっているようだ。MatlabやMathematicaでも人工知能用のライブラリーが出そろってきている。
近い将来、自転車のパラメータ(サドルの高さやクランクの長さ等)の評価だけでなく、フィギュアスケートの採点、個人の特性に応じた職業選択のツール、仕事のアウトプットの評価の基準、といったものを100点満点で評価してくれるのではないかと思う。
今やっていること、目指していることの評価もしてくれると助かるが。。。
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